病院も薬局も経験してわかった「向いている人」の違い
2026/07/25
投稿者:薬局小春さん
みなさんは毎日楽しくいきいきと働けていますか?
・今の職場になんとなく違和感がある。
・毎日、小さな我慢を積み重ねながら働いている。
・同じことの繰り返しで、スキルアップもキャリアアップも見えてこない。
6年間大学に通って、大変な思いをして国家試験に合格したのに、気を遣いながら身も心も削りながら働く日々。もしかしたら、自分に向いていない環境で働いているかもしれません。
数ヶ月前、病院薬剤師として働いていた私は思い切って病院を辞める決断をしました。その後、調剤薬局に転職し、毎日楽しく働いています。私には薬局の方が向いていたんだなと実感しています。
自分は病院に向いていないなと思ったこと
私は回復期のリハビリテーション病院で一年目の秋から病棟業務に携わることになりました。それまでの半年間は患者さんと一言も話す機会がなく、窓のない閉鎖的な調剤室で自動分包機を動かしながら一包化の調剤・監査を永遠に行っていました。単純作業は特に苦ではなかったタイプなので、配薬カートに一包化をセットするなど黙々と作業するのは好きでした。
その後、病棟業務を教わり、最終的に1人で35名程度の患者さんを担当することになりました。服用している薬のチェックや患者限定薬の管理、薬を自己管理できる患者さんへの服薬指導と配役、そして家族も含めた退院指導など様々な業務を経験しました。回復期の入院期間は2〜6ヶ月ほどの場合が多いので、長期的に患者さんと関わることができ、信頼関係を築くことができました。しかし、週1回しか病棟業務に時間をさけなかったため、実際に直接会ってお話できるのは週に15人程度。残りの半分の患者さんとは、カルテの中の情報でしか向き合えませんでした。全員と初回面談を行ったりする余裕もなかったため、退院指導で初めて患者さんと対面するということもありました。
そのなかで、私はカルテにある大量の情報の中から薬に関わる情報のみ収集して、分析して、評価して、薬歴を書くことが苦手でした。リハビリや家族面談の内容などいろいろな情報に目がいってしまい、時間がとてもかかってしまいました。また、担当病棟以外の患者さんの臨時処方を受付する際に、なんのために入院してきて、今どういう薬を服用していて、先生がどういう意図で処方したいのかを把握するのが難しかったです。
電話で確認するのもタイミングが悪いと怒られるので毎回緊張しました。
毎日遅くまで先輩方から指導を受け、残業を月30時間ほどするようになり、身も心もすり減っていきました。そのとき、私は病院に向いていないのかもと感じました。
自分が薬局に向いているなと感じたポイント
2年目の4月からドラッグストア併設の調剤薬局に転職しました。毎日20〜30名ほどの患者さんとお話ししながら情報を収集し、アドヒアランスや副作用の評価をしながら、不安に寄り添い、安心感を提供しています。私はお薬手帳や処方箋からいろいろ推測することが楽しく、患者さんから聞き取りをして答え合わせをして知識や経験が積み重なっていく感覚が好きです。悩みごとを傾聴したり共感したりすることが苦ではなく、自然とできているため、毎日多くの患者さんとお話しできる薬局の方が向いているなと感じました。カルテとにらめっこしながら頭で悩ませていた時よりも、患者さんと薬について話した内容が端的に載っている薬歴の方が情報としてわかりやすいため、苦手な部分がカバーされているように感じます。
医師や看護師から頼まれることはなくなりましたが、患者さんから市販薬の相談をされたり、飲み合わせの質問がきたりするなど、地域の薬局薬剤師として患者さんから頼られることが増えました。生活面も含めた総合的なサポートができ、やりがいを感じながら働いています。
ここまで私の個人的な話を読んでいただき、ありがとうございます。
病院に向いている人、薬局に向いている人の違いについて、私の経験をもとに細かい部分までリストアップしてみたので、ぜひ自分に当てはまるのはどっちが多いか考えながら読んでみてください。
病院薬剤師に向いている人
カルテから情報を的確に読み取り、整理して論理的に伝えることが得意
薬剤師として医師に処方を提案し、直接治療に関わることができることにやりがいを感じる。
多職種で意見を出し合い、お互いに尊重し合いながら、退院に向けて正解のない問題を一緒に考えるのが好き。
仕事内容が多岐にわたる方がスキルアップにつながり、飽きずに毎日楽しく仕事ができる。
感情よりも、結果や根拠に基づいて論理的に会話するのが好き。
決まったルールやマニュアルがあった方が働きやすい。
症例報告会や学会など、自己研鑽が苦じゃない。知的好奇心を満たせる環境がいい。
急な電話にも柔軟に動ける。
病気と向き合いたい。
プロフェッショナルとして専門性を高めたい。
長話は切り上げたいと感じる。
薬局に向いている人
コミュニケーション能力が高く、何気ない会話から患者さんの情報を聞き出すのが得意。
いろんな人と話すことや接客することが好きで、長話もむしろ楽しめるタイプ。
在宅医療やかかりつけ薬剤師など、生活に密着して支える仕事にやりがいを感じる。
ルーティンワークでも飽きずに続けられる。
調剤事務さんと協力しながら、クレームにならないように、素早く動ける。
セルフメディケーションや市販薬の相談にものりたい。
調剤報酬改定や加算、保険などの知識をもとに、売上や数字のことを考えるのが好き。
健康と向き合いたい。
赤い錠剤など曖昧な情報から推測して、患者さんと意思疎通をとることが楽しいと感じる。
ジェネラリストとして、幅広い知識を身に付けたい。
まとめ
今回紹介した病院に向いている人、薬局に向いてる人の違いはあくまでも私の経験をもとにした一例です。
忙しさのレベルや配属人数の違い、性別や年代の割合、病院統合や薬局買収によるシステム変更、産休や育休、退職者や入植者などさまざまな状況によって、働きやすさは変わると思います。そのなかで重要なことは、人間関係の問題を解決できる環境かどうかだと思います。どの職種でもありえる問題のため、異動できるか、シフトの作成に融通がきくか、困ったときに相談できる相手がいるか。そのあたりも大事になってきます。やりたいこと、好きなこと、向いていること。この全てを満たすのは難しいかもしれません。
しかし、向いていることを仕事にすれば、無理をして必死にもがかずに済みます。努力が評価につながりやすいので、苦手なことを克服するよりも、得意なことを伸ばしていく働き方がいいと思います。
